Vivre avec l`esprit ancient ~アンティークのある暮らし~Vol.3「KARAOKE BAR FUNSUI」

“いつか、アンティークがわかるお客様に、
「あ、この店カッコいいな」って感じてもらえたら、
すごく嬉しいですね。”

KARAOKE BAR FUNSUI(川崎区)

川崎の商業施設、ラ チッタデッラ内の中央に位置する噴水広場。
その噴水広場の中にある鉄扉を開くと、大人心をくすぐる真鍮製のカウンターが鎮座するバーが出現。さらに奥には、一流ホテルの ラウンジのようなシックで落ち着いた空間が。しかしその静寂は開店後、まるで昭和のスナックのような、老若男女が集うカラオケ空間に変身するのだ。

噴水広場の中にあり、噴水が見えるから、「FUNSUI」。
オープン以来、多くの人で賑わっている遊び心がたっぷり効いた、秘密基地的隠れ家バーをプロデュースし、2016年から施設内にアンティークストリート「VAN DES COLLECTION」をオープンさせた弊社社長、美須アレッサンドロに話を聞きました。

大人がおしゃれに遊べる、カッコいい場所を作りたかったんです。

-まずはどういうコンセプトでFUNSUIを作ったんですか?

(美須)
もうここ10年ぐらいだと思うんですけれど、僕は川崎の恵比寿化計画っていうのを勝手に唱えていましてね。(笑)
夜の遊び場、みたいなマーケットの掘り起こしっていうのをやりたかったんです。

うちの施設「ラ チッタデッラ」を、“大人の遊び場”として捉えた時に、夜遊ぶ場所としての機能が弱いなと思ったんです。飲食店利用という意味では色々なお店があるので充実はしているんですが、お腹いっぱいになった後の「次の店どうしようか?」っていう時に、ちょっと困る。そんな時にサクっと行けて、しかも大人がおしゃれに遊べる、カッコいい場所を作りたかったんです。遊びを知っている大人たちが多い、恵比寿や六本木、西麻布でも通用するような、キッチュな大人の遊び場というのが、このお店のコンセプトですね。

噴水広場の横にあるここが、店への入口。

このお店の場所も、だいぶ遊びを効かせたつもりです。お客様の動線も難しいし、普通にどこにあるのかわかりにくい。でもあえて、入口もわかりやすいようにしてないし、噴水が上がってる時は入れない、みたいなのも面白いかなって思って、逆に利用したんです。知ってる人しか入って来れないし、知らない人は「え?何?」ってちょっとワクワクする。そういうのっていいな、って思うんですよね。 でも、店が失敗したら、絶対に場所のせいにしようと思ってましたけどね。(笑)

扉の向こうには、バー空間が。

こういう楽しみ方って大人しかできないんじゃないかな、って思うんですよね。

ーなぜ、カラオケバーという形態だったんですか?

カッコ良くていいお酒を出す、っていうだけで、川崎の人を誘引 できる自信がなかったので、お酒に真剣に向き合うマスターのいるようなお店とも、なかなか勝負できないな、と。
で、何かエンタメ要素を入れたいなと思いついたのがカラオケ。カラオケだったら老若男女問わず、みんな気軽に楽しめますしね。

うちの店は昭和のスナックみたいなタイプなので、ネオスナックって呼んでます。(笑)カラオケボックスと違ってこういう空間は、遊んでたら、知らない人と一緒に盛り上がって飲んだり歌ったり、話して友達になったりすることもできるから、継続性があるコミュニケーションが生まれるんです。今では常連さん同士で仲良くなって、実際に遊びに行ったりしているのを聞くと嬉しくなります。こういう楽しみ方って大人しかできないんじゃないかな、って思うんですよね。

ーどんなお客様が多いですか?

思っていたよりも男性が多いですね。30~40代の男性がメインで、全体の男女比は6:4か最近は5:5ぐらいの時もありますね。近隣のビジネスマンやOLが来て、終電以降も遊んでくれている、みたいな感じが多いです。

僕が目論んでいた合コンの2次会で騒ぐ、みたいなのはたまに見かけますが、まだまだ少ないですね。(笑)男性には是非 とも一番気に入っている女性を連れて、この店で口説いて欲しいですね。川崎の男性の皆様、デートでのご利用をお待ちしております!(宣伝です!笑)

アンティークの面白さって、どんどん増やしていけるところなんです。

ーお店の内装には、すごくこだわったんですよね?

この店をデザインしてくれた僕のいとこのイタリア人デザイナーが工業系、産業系のテイストにハマっていて「インダストリアル」というキーワードがあったんです。なので、お店の象徴でもあるバーカウンターは、普通木製のカウンターが多いと思うんですが、あえて真鍮のカウンターにしました。

真鍮のカウンターが存在感を放つ、バーエリア。

このカウンターのゴールドを主役に、脇役となるイスは、骨太のシルバー&ダークグレーのものを選ぶなど、シックでゴージャスなバーエリアを作りました。その他、店内の家具、ディスプレイなどを、アンティークで揃えています。テーブルとイスは同じものがないので、バラバラですが、僕が1つ1つ、選んで購入したものです。

ーアンティークは、元々好きだったんですか?

興味はあったんですが、なかなか買う機会に恵まれませんでした。でもこのお店を作る時には、最初からアンティークの家具を探さなきゃ、って思っていたんです。新品の綺麗なモノよりも、味わいのある家具の方がいいなと思っていて。それで初めてアンティーク蚤の市に出かけたんです。初めてのアンティーク購入は、現在のトイレに飾ってあるシャモアというウシ科のはく製です。その後、様々なお店を見て回るようになって、どんどんハマってしまいましたね。

バーエリアには、そこかしこに様々なアンティーク雑貨が。

ーアンティークの面白さってどんなところですか?

アンティークの面白さって、どんどん増やしていけるところなんです。最初はなかなか手を出しにくいんですが、色々置き出すと何か急にしっくりきたり、カッコ良くなったりする。それは1つ1つのモノ、それぞれに強烈な個性があるからだと思います。

最近一番のお気に入りは、蚤の市で見つけたガーゴイル。

実際、バーカウンター周りには、お気に入りのアイテムをたくさん飾ってあって、天井から下がっている三輪車や、ヘルメット、電話や棚や台など、アンティーク蚤の市で買ってきた様々なモノが置いてあります。最近一番のお気に入りは、ヨーロッパの建物で実際に使われていたこのガーゴイルです。

でも、あんまり欲張らないようにして、日々少しずつアイテムを増やすようにしています。いつか、アンティークがわかるお客様に、「あ、この店カッコいいな」って感じてもらえたら、すごく嬉しいですね。

大人の集まる遊び場には、ちょっと色気のある絵の方がしっくりくるんじゃないかな。(笑)

天井のランプは、トルコ土産の3つから始まり、今では100個以上に。

ー壁に飾ってある絵にも、こだわりがありそうですね?

絵はイタリアの映画監督フェデリコ・フェリーニのものですが、残念ながら直筆ではありません。(笑)フェリーニが実際に見て描いた夢のイラストが、イタリアで2001年に『夢の本』というタイトルで出版され、そのページを額装したものなのですが、本当にセクシーでカッコいいイラストなので気に入っているんですよ。

趣のあるテーブル、ソファの数々と、壁のアート。

こっちの絵はイタリアのタイヤメーカー「ピレリ」が出しているカレンダーに出ていた絵を切り抜きました。ここに飾ってある額縁は、1つ1つオリジナルで作ったので、これもまた味が出ていて僕は大好きです。

飾ってある絵のテーマは良く見るとわかるんですが、エロスとかセクシーをテーマにしています。大人の集まる遊び場には、ちょっと色気のある絵の方がしっくりくるんじゃないかな。(笑)

少しでも価値のわかってくれる人に、この面白さや魅力を届けていきたいですね。

ーこういうアンティーク蚤の市での買い付けが、「VAN DES COLLECTION(※)」 の展開に繋がっていったんですね?

※「VAN DES COLLECTION」とは、2016年3月に施設内にオープンしたアンティークストリート。

そうですね、実際に自分が店をやる立場として、アンティークを意識するようになってから、本当に魅力にハマっていきました。蚤の市に行くようになって思ったのは、1~2日で終わるのがもったいなあということ。

またちょっと雰囲気のいい家具って目黒通り沿いとかにたくさんあるけれど、離れているところを移動したり、通りを渡ったりしないといけないのがちょっと面倒。もっとギュッとコンパクトに、数店舗集積していたらいいな、そんな骨董通り作れたらいいなって思って、昨年の3月から始めたのが、VANDESCOLLECTIONです。

アンティークって、駅ビルやショッピングモールとか、どこにでも売っているものじゃない。しかも家具や雑貨など様々なジャンルのお店が集積すれば、幅広い品を揃えることができるという意味でも集積させれば商機はあるんじゃないかと感じたんです。

ー今後、どんなアンティークストリートを目指しますか?

本場ヨーロッパのアンティーク街って、普通はほとんど駅から離れているところとか裏通りとか、人通りが少ないところにあったりするもんなんですね。FUNSUIと同じように、路面店ではないので見つけにくいかもしれないけど、アンティークの本場、ロンドンのポートベローも大きくない通りの両側にお店が並んでいるので、そんな雰囲気を作っていきたいですね。

ワンポイントで強烈な個性を発揮するアンティークのアイテムを日本の画一的な住宅の中に落とし込むのは、かなりクリエイティビティが問われるけれど、そこができたらすごい面白いだろうなって思うんですよね。そんなチャレンジ精神とか遊びゴコロを持った人が、川崎にもっと増えてくれたらいいな、と思います。少しでも価値のわかってくれる人に、この面白さや魅力を届けていきたいですね。

KARAOKE BAR FUNSUI
(カラオケ バー フンスイ)

住所
神奈川県川崎市川崎区小川町4-1 マッジョーレ B1F
※地図はコチラ
電話番号
044-201-6814
営業時間
水曜日 20:30 ~ 翌3:00
水曜日以外 19:00 ~ 翌3:00