SPECIAL VOICE OF TALK SPECIAL VOICE GUESTLiLiCo vol.01

100års Grattis jubeleum! hurra! hurra! hurra!

人生で大切なことは全部、
映画館で学んだ

子どもの頃から映画館が大好きだったという
LiLiCoさん。
映画のすばらしさ、映画館で観る醍醐味、
チネチッタの魅力について、
旧友の美須社長とたっぷり語り合いました。

〈PROFILE〉LiLiCo

〈PROFILE〉LiLiCo

1970年スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日、1989年から芸能活動スタート。 TBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとして出演、フジテレビ「ノンストップ!」 「魔女に言われたい夜」など、出演番組も多数。 ラジオやイベントにも出演するほか、アニメの声優やナレーション、女優などマルチに活躍する映画コメンテーター。2011年ネイルクイーン協会功労賞受賞、2013年ベストジーニスト協議会選出部門受賞などファッションにも意欲的に取り組み、バッグやジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛ける。

〈PROFILE〉株式会社 チッタ エンタテイメント  代表取締役社長 美須アレッサンドロ

〈PROFILE〉株式会社 チッタ エンタテイメント 代表取締役社長 美須アレッサンドロ

1978年 フランス・パリ生まれ、東京・六本木育ち。
1996年 青山学院大学入学
2001年 株式会社電通入社
2004年 株式会社 チッタ エンタテイメント入社
2015年 株式会社 チッタ エンタテイメント代表取締役社長就任

LiLiCo & 美須アレッサンドロ 対談前 LiLiCo & 美須アレッサンドロ 対談前 対談会場:カラオケバーFUNSUI

ヒットメイキングの一員でいたい

美須:今日は来てくれてありがとうございます。

LiLiCo:私も一緒にお祝いできてうれしい。ラ チッタデッラのハロウィンイベントで初めて会った時から、もう10年以上の付き合いになるね。

美須:それ以来、毎年審査員として参加してくれましたね。仮装はいつも、かなり本気だった!

LiLiCo:顔に全塗りしなきゃコスプレじゃないと思っていたから。アナベルになった時はあまりにも出来が良くて、みんな怖がっていた。

美須:僕もやるからには手を抜きたくなくて、カクレモモジリとか誰もやらなそうなキャラクターを狙って仮装したよ(笑)。

LiLiCo:「それは……誰?」ってね(笑)。みんな本格的で大盛り上がり。毎年楽しみだった。チッタの街並みは映画の撮影に使われるくらい絵になるでしょ。噴水のショーもすごく良い雰囲気で。どこかアットホームな雰囲気も大好き。ここにはいつもたくさんの人の笑顔が溢れていると思う。100周年って本当にすごい!! おめでとう!

美須:ありがとう。

LiLiCo:でも、アレックス(美須)は全然気負ってないよね。昔からずっとこんな感じ(笑)。

美須:確かに気負いはないかな(笑)。でも100周年は一つの節目。改めて、今、そしてこれからを見つめ直しているところ。

LiLiCo:これから、どんな映画館にしていきたいの?

美須:ただ作品を上映するだけじゃなくて、お客様と一緒に映画の世界を盛り上げていきたい。ヒットメイキングの一員でいたい。僕たちは映画を作ることはできないけれど、やれることはあると思ってる。

LiLiCo LiLiCo

想定を超える、
ちょっと変な映画館に

LiLiCo:私は「人」だと思うな。何をやるにも、結局「人」が大事。チネチッタのスタッフからは、映画が好きで働いているっていう気持ちがすごく伝わってくるの。だからお客さんも、自然と映画ファンが集まってくる。

美須:確かに映画好きなスタッフが多いです。チネチッタに手芸部(非公式)があるのよ。3~4年前あるハリウッドのファンタジー系の大作映画を公開した時、特に裁縫が得意な訳でもないのにスタッフが自主的に集まって衣装を手作りしてくれて。それを館内に展示したら、お客様がみんな写真に撮ってSNSでシェアしてくれた。その後も、手芸部はことあるごとに活動していて、どんどん腕を上げてる感じ。

LiLiCo:素敵!

美須:『キャッツ』の時は、チケット売り場のスタッフが全員、キャッツのメイクをしてお客様を迎えたんだ。メイクの学生さんにお願いしてね。

LiLiCo:すごくいい!他の映画を観に来たお客さんも、『キャッツ』が観たくなるよね。

美須:チネチッタは、そういうちょっと変な映画館でいたい。映画に対する愛情を、お客様と共有できる場所でありたいと思ってる。

LiLiCo:他の映画館がやっていない、前例がないことをやっていかなきゃね。私も映画コメンテーターとして、誰の真似でもない、私だけのやり方で道を切り開いてきた自負があるの。

美須:お客様を感動させるには、想定内じゃダメ。想定を超えていかないと。

美須アレッサンドロ 美須アレッサンドロ

映画は映画館で観るために
作られている

LiLiCo:チネチッタの強みは、「音」もあるよね。同じ施設内にライブホール(クラブチッタ)があって、音響のプロが関わっている映画館なんて、なかなかない。

美須:音響にはかなり力を入れてますよ。特にシアター8で感じるサウンドの迫力は、他ではちょっと味わえないと思う。僕たち以上に耳の肥えたお客様もリピートしてくださって、今はアニメ映画が中心だから、ハリウッドの超大作でも展開していけるといいなと。

LiLiCo:最近はサブスクが普及して、いつでもどこでも映画を観られるようになったでしょ。それはすごくいいこと。でも、例えば『グレムリン』(1984年)でギズモの体から分身がギャギャギャギャ~って飛び出してくる、あの臨場感は映画館だからこそ味わえるもの。スクリーンの大きさも音も、テレビやスマホで観るのとは全然違う。
『ようこそ映画音響の世界へ』(2019年)を観ると、映画の音作りがどれだけすごいかよくわかる。映画はやっぱり、映画館で観るために作られているの。『白いトリュフの宿る森』(2020年)は観た?素晴らしい映像美で、雨が降った後の葉っぱのにおいまで伝わってきそうだった。もう絶対にワインが飲みたくなる。

映画館は総合
エンターテインメント空間

LiLiCo:映画って、本当にいろんなことを教えてくれる。よく人に「どうしていつもそんなに明るくてハッピーなの?」って聞かれるけど、それは映画をたくさん観ているから。人生で大切なことは、みんな映画から学んでいる。
実は数年前、ワケがわからないくらい忙しい時期があったの。体だけ働き続けて、心を完全に置き去りにしてた。そんな時に『ハッシュパピー』(2012年)を観てね。お父さんが娘に「感じて生きろ!」って叫ぶシーンがあって、大号泣したのを覚えている。

美須:わかります。映画は知識も与えてくれる。知らない国の歴史や文化も、映画を観ればだいたいイメージがつかめる。

LiLiCo:どんな映画でも必ず何か得るものがあると思うのね。。そして純粋に娯楽でもある。映画館は子どもの頃の私にとって、嫌なことを忘れられる夢の場所だったの。今もスクリーンのカーテンが開く度に、その頃の気持ちを思い出してワクワクしちゃう。現実逃避ができて、人生のヒントをもらえて、勉強になって、そこでしか食べられないものもあって。子どもにとっては、社会のルールやマナーを学ぶ場所でもある。映画館って、総合エンターテインメント空間じゃない?

LiLiCo & 美須アレッサンドロ 対談後 LiLiCo & 美須アレッサンドロ 対談前後

エンドロールの後も続いていく

LiLiCo:ここは映画館を出てからも、レストランがあって、ライブホールもバーもある。一日過ごせるすごく楽しい場所でしょ。だから、ラ チッタデッラという街全体でもっと映画を盛り上げていってほしい。映画ってエンドロールが流れても、観た人の心の中で続いていると思うの。『a-ha』(チネチッタで5月20日から公開予定)を観た後に、クラブチッタで「テイク・オン・ミー」を聴けたら最高じゃない?

美須:それは最高!映画好きはもちろんだけど、ふらっと来てくださる方にも映画の世界を楽しんでもらえる場所にしていきたいと思うな。

LiLiCo:アハ・ナイト、楽しみにしてるわ!